Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
Lisez いしが奢る (いしがおごる) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 304 caractères · 45 écrans
いしは身もだえ、激しく頭を振った。保馬はいしの口の中へ指を入れた、くいしばった歯には非常な力がこもっていた。保馬はいしの髪を掴み、首の折れるほど仰向かせた。すると顎があいて、指が中へすべり込んだ。保馬は乱暴にその指を押入れ、力任せに舌を圧した。
「水です」千之助が戻って来た、「なにかくわえさせましたか」
いしの躯が痙攣を起し、すぐに嘔吐が始まった。形容しようのない不快な(それが毒物なのだろう)匂いがあたりにひろがり、いしは悶絶するかのように呻いた。
「そうだ卵白を忘れていました」千之助が云った、「卵の白身を持って来ます、それから医者を呼びますか」
「あとにしよう、外島のことがある」
千之助は走り去った。保馬はいしの頭を横にして、口移しに水を飲ませた。いしは飲んだ、諦らめたのか、それとも力が尽きたのか、保馬の飲ませるだけ飲んだ。
「さあ吐け」保馬はどなった、「すっかり吐きだしてしまうんだ、その胸の中にはいっているやつもいっしょに、残らず吐いてしまうんだ、残らずだぞ、わかるか、いし」
いしは頷いたようであった。そしてまた嘔吐した。保馬の眼から涙がこぼれた、彼はいしの背を叩きながら、喉の詰ったような声で云った。