Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしがおごる

いしが奢る

山本 周五郎

Lisez いしが奢る (いしがおごる) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 304 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

堀には命じた用があり、仲田千之助だけ伴れていたが、少し酒を飲んだあとで妙なまちがいが起った。――与佐の内海の汀に建っているその料亭には、水の上へ張出した床があった。屋根を掛け、手摺をまわして、一部には(舟に乗るためだろうか)梯子が付いていた。保馬はそこへ出ていった。彼は酒に弱いたちで、盃に五つばかり飲むと酔ってしまう、ちょうど千之助が給仕の仲居と話し始めたので、一人で風をいれに出たのであった。

日が落ちたばかりで、油を流したように凪いでいる内海の上は、いちめんに鬱陶しく靄立っていた。帰ってゆく漁舟の影もかすんでいたし、帯のように延びている天の橋立も、薄墨でぼかしたほどにしか見えなかった。保馬は床の端のところに跼んでぼんやりと下の水を眺めていた。水は浅く、底の砂地が見え、なにかの稚魚らしい小さな透明な魚の群が、水面すれすれに泳ぎまわっていた。

そのとき彼のうしろへ、娘が一人そっと忍び寄った。十七か八であろう、おもながのすっきりした顔だちで、背丈が高く、胸も腰もまだ少年のように細かった。少し酔っているらしい、うるみを帯びた眼のまわりや頬のあたりが赤く、忍び寄って来る動作にも、浮き浮きした悪戯っぽいようすがみえた。