Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans

Aozora Bunko

そんなように見えたのは、支那革命に身を投じて幾度か死線を彷徨した慷堂だけに、俺なぞとちがって胆がすわっているからか。その悠然ともいささか趣を異にした表情で、

「君も身辺に気をつけたがいいな」

俺は慷堂が「君も」と、自分もふくめてそう言ったのを、今度の計画についてのことかと思ったら、

「君の朝鮮行きの意図は、ばれてるようだな」

「クロビイに――いえ、あの、憲兵にですか」

「尾垣派の連中にだ」

「尾垣派の連中があたしをつけねらっているんでしょうか」

「今のところ、そんな気配はないが」

慷堂はまたハエをたたいて、

「京城からわざわざ帰って貰ったものの、それほど大した仕事も頼まなくて、さぞかし君もがっかりだろうな」

俺の昂奮に水をさすみたいなことを言う。

「いえ、そんなことありません」

「そうか」

と慷堂は短くそれだけ言った。

砂馬も俺に、三下に甘んじているのかと言った。そうした砂馬を俺も無理に誘いこもうとはしなかったが、砂馬の不参加は、三下じゃいやだという気持もあったのだろうか。

三下――と砂馬はそう言ったが、三下やっこを勝手に砂馬が略したのである。三下という言い方はないんじゃないかと思うが、この砂馬の言葉で言えば、俺は三下として蹶起計画に参加した。