Classiques japonais avec furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans
コオシタ(細君)と覚しい女がお茶を持ってきた。行儀の悪い俺を見て、びっくり仰天の顔だったが、それはまるで、ゆで卵をむいたのに目鼻をつけたみたいな、いやにツルツルした丸い顔だった。小柄な小肥りした身体も、ガリダマ(卵)みたいな、ころころっとした感じなのに、俺もつい微笑を誘われて、
「奥さんですか」
「はい」
おどおどした様子に、俺も言葉を丁寧にして、
「加柴四郎と言って、玉塚さんの昔の友人です」
行儀が悪いだけでなく人相も風態も悪い男から、猫撫で声をかけられて、細君は一層おろおろして、
「詩人でいらっしゃいますか」
「いやあ……」
俺は頬に手をやったが、その頬は自分でも気持が悪いくらいげっそりと凹んでいる。卵みたいな顔と干物みたいな俺の顔とは妙な対照だったろう。
「昨夜、主人は徹夜いたしまして……」
「ゆっくり寝てて貰っていいんです」
セミがじーじー鳴いている。それが俺には自分の耳鳴りのようにも思えた。
細君が去ると間もなく、玉塚が寝ぼけ面で現われた。おこすなと細君に俺は言ったのだが、気味の悪い人が来たとおこしたのだろう。
「やあ、しばらく」
愛想のいい声にかえって警戒が感じられた。