Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

そうして程なくある女学校へ通い始めた。

菅沼の家は谷中の清水町で、庭のない代りに、縁側へ出ると、上野の森の古い杉が高く見えた。それがまた、錆た鉄の様に、頗る異しい色をしていた。その一本は殆ど枯れ掛かって、上の方には丸裸の骨ばかり残った所に、夕方になると烏が沢山集まって鳴いていた。隣には若い画家が住んでいた。車もあまり通らない細い横町で、至極閑静な住居であった。

代助は其所へ能く遊びに行った。始めて三千代に逢った時、三千代はただ御辞儀をしただけで引込んでしまった。代助は上野の森を評して帰って来た。二返行っても、三返行っても、三千代はただ御茶を持って出るだけであった。その癖狭い家だから、隣の室にいるより外はなかった。代助は菅沼と話しながら、隣の室に三千代がいて、自分の話を聴いているという自覚を去る訳に行かなかった。

三千代と口を利き出したのは、どんな機会であったか、今では代助の記憶に残っていない。残っていない程、瑣末な尋常の出来事から起ったのだろう。詩や小説に厭いた代助には、それが却って面白かった。けれども一旦口を利き出してからは、やっぱり詩や小説と同じ様に、二人はすぐ心安くなってしまった。