Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

「やっぱり、三千代さんに逢わなくちゃ不可ん」

彼は足の進まない方角へ散歩に出たのを悔いた。もう一遍出直して、平岡の許まで行こうかと思っている所へ、森川町から寺尾が来た。新らしい麦藁帽を被って、閑静な薄い羽織を着て、暑い暑いと云って赤い顔を拭いた。

「何だって、今時分来たんだ」と代助は愛想もなく云い放った。彼は寺尾とは平生でも、この位な言葉で交際していたのである。

「今時分が丁度訪問に好い刻限だろう。君、又昼寐をしたな。どうも職業のない人間は、惰弱で不可ん。君は一体何の為に生れて来たのだったかね」と云って、寺尾は麦藁帽で、しきりに胸のあたりへ風を送った。時候はまだそれ程暑くないのだから、この所作は頗る愛嬌を添えた。

「何の為に生れて来ようと、余計な御世話だ。それより君こそ何しに来たんだ。又『此所十日ばかりの間』じゃないか、金の相談ならもう御免だよ」と代助は遠慮なく先へ断った。

「君も随分礼義を知らない男だね」と寺尾は已を得ず答えた。けれども別段感情を害した様子も見えなかった。実を云うと、この位な言葉は寺尾に取って、少しも無礼とは思えなかったのである。代助は黙って、寺尾の顔を見ていた。