Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

隼人は立停って岡村を見た、「権八にそんなことをする理由でもあるのか」

「特にこれという理由はないでしょうが、権八に限らず、部落の人間はみな木戸の者を憎んでいますからね」

「どうして」

「どうしてですって」岡村は吃り、また肩をゆりあげた、「――だってその、囚人が牢守を憎むのは当然じゃありませんか」

隼人はなにか云いかけたが、口をつぐんでまた歩きだした。道をくだりきったところに、平らな石を積んだ道標のようなものと、すっかり朽ちてしまった杭のようなものがあった。岡村七郎兵衛はそれを指さして、昔はそこに流人村という標の石が立ててあり、柵がまわしてあったのだ、と説明した。

「どうしても中へはいるんですか」

「そのために来たんだ」

「よろしい、では正内老人のところへ寄りましょう、老人がいっしょならまず安全です」

それはどういう人間か、隼人はそう訊こうとしたが、口には出さなかった。標の石のあるところは、部落の最上部であった。石で組みあげた台地は五段になってい、一段に五棟から七棟の家があった。――ちょうどそのとき、部落を越した向うの断崖の上部を、朝の日光が赤く染めだし、その赤い色のしだいにひろがってゆくのが眺められた。