Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

村の人別にはいっていないということは、おそらく誰も知らないだろう、と七郎兵衛は云った。

「ああそうだ」暫く歩いてから、岡村はふと気づいたように云った、「――老人には妻女と子供があって、どちらも村で病死したということを聞きましたよ、墓地へゆけば墓がある筈です」

「村の中にあるのか」

「御案内しましょう、いちばん高いところです」

坂をくだり、でこぼこした断崖に沿って、標の石のところまでゆくと、岡村七郎兵衛は「こっちです」と手を振り、このまえより一段高い檜のほうへ登っていった。――岩ばかりの道であるが、道や杉が爽やかに匂い、岩の隙間には草が芽ぶいていた。土地が悪いのか、風雪がきびしいためか、ここでは檜も杉も丈が低く、幹や枝葉も痩せているようにみえるが、その若葉の匂いや、岩地をぬいて伸びる草の、あざやかな若みどりの色は、そのまま生命の力と、根づよさを示しているように思えた。――墓地を殆んど登り詰めようとするところで、岡村七郎兵衛は左へ曲り、五十歩ほどいってから、右側にある檜の生垣へ、手を振ってみせた。

「私はここで待っています」

「待たなくともいい」と隼人が云った、「先に老人のところへいっていてくれ」