Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
卑猥を極めた言葉や、身ぶりや声の抑揚は、彼女たちがそうしようと思ってしているのではなく、なにかの力に支配されて、自分では意識せずにやっているようにさえ感じられた。
――これが防ぎきれるだろうか。
隼人は自分に問いかけた。
――防ぐことが理にかなうだろうか。
女たちは叫び、哀訴し、咆哮し、笑い、また喚き続け、隼人は頭を垂れて立っていた。するとやがて、正内老人の声が聞えた。眼をあげると、蓑を着、笠をかぶった老人が、柵の向うに立っていた。
「貴方は明日のお役があります」と老人は云った、「この女たちは私がみておりますから、どうぞいっておやすみ下さい」
「いや、御老躰ではむりです」
「私のほうが扱い馴れております、いいときをみて伴れ戻りますから、貴方はどうかやすんで下さい」
隼人はちょっと考えてから、「ではこの提灯を貸しましょう」と云ったが、老人はそれも要らないと手を振った。正内老人が来るとすぐ、女たちも静かになったので、隼人はあとのことを老人に頼み、自分の部屋へ帰った。――彼は夜具の中へはいっても、なかなか眠ることができなかった。女たちが示した嬌態や叫び声の強烈な印象が、眼にも耳にもなまなましく灼きついていて、それが神経をかき乱し、血をわきたたせた。