Classiques japonais avec furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lisez とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) de 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 729 caractères · 371 écrans
死んでしまった後から発見たんなら、こんなことにもならなかったでしょうが、なんしろ、自分で自分の笛を掻き切って、もがき死にするところを、その藻掻き廻るところだけを見たもんですから、自殺の現場を、他殺の現場と感違いしてしまったんですよ。……私の考えでは、恐らく房枝さんを殺したのも、澄子だと思うんです。つまり、昨晩あの時の房枝の折檻が、痴話喧嘩になり、揚句の果てに房枝を絞め殺してしまった澄子は、正気に返るにつれて、自分のしでかした逃れることの出来ない恐ろしい罪を知ると、ひとまず房枝の死体を押入に隠して……これは多分、十一時になって君子が二階へ上って来る危険を覚えたからでしょうか……それから悶々として苦しんだ揚句、とうとう自殺してしまったんでしょう。つまり、最初あの房枝の死体のみつかった時に、貴方がたのお考えになった事の逆になるわけですよ。だから、あの断末魔の澄子が、房枝の名を呼んだと云うのも、自分を殺した人の名を呼んだのではなくて、自分が殺してしまった人の名を、悔悟にかられて叫んだ、とまア、そう私は考えるんですよ」
「冗談じゃアないぜ」警部がとうとう吹き出してしまった。