Classiques japonais avec furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lisez とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) de 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 729 caractères · 371 écrans
でも毎日毎日奥の間の障子のかげから顔だけ出して、貴男の来られるのをいつまでも待ち続けている妾を見兼ねたのか、とうとう父は恰度いまからひと月程前、B町へ毎シュウ草花を買いに行く度に、なんでも大変キキメのある神様へオガンをかけて来る様に約束してくれました。するとどうでしょう。その大変キキメのある神様は哀れな妾のねがいをお聞き下さって、日ヨウ日毎に貴男にお眼にかかれる様にして下さいました。ああその頃の妾は、なんと言うしあわせ者でしたでしょう。毎日毎日唄を唄ったり、父とユカイに話をしたり……。
でも、それはホンのつかのまの事で、この前の日ヨウ日には、もう貴男はおいでになりませんでした。そして何事があったのか父はもうバチが当るからオガンをかけるのはイヤだと言いだして、だから今夜も花だけ買って早く帰って来てしまいました。そしておさえ切れなくなった妾は、とうとう父とみにくい口あらそいを始めたのでご座います。
そしてああ恋しいオサセン様。
とうとう妾は、恰度手に持っていた棺板に穴をあけるヨツメ・キリで、あやまって父を殺してしまったのでご座います。
妾は、もう生きているノゾミをなくしてしまいました。