Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとごろし

ひとごろし

山本 周五郎

Lisez ひとごろし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 607 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

そこでまた昂軒はゆらりと頭を左右にゆすった、「諄いようだが、それが誤りであり間違いだということを、こんど初めて知った」

「あなたはそれを、もう幾たびも云い続けていますよ」

「何百遍でも云い続けたいくらいだ」昂軒は抜いた脇差のぎらぎらする刀身をみつめながら、あたかも自分を叱るように云った、「――強い者には勝つ法がある、名人上手といわれる武芸者はみなそうだった、みやもとむさしなどという人物もそんなふうだったらしい、だが違う、強い者に勝つ法は必ずある、そういうくふうは幾らでもあるが、それは武芸の一面だけであって全部ではない、――それだけでは弱い者、臆病者に勝つことはできないんだ」

六兵衛は恥ずかしそうに、横眼でちらっとおようを見た。

「どんなに剣道の名人でも」と昂軒は続けて云った、「おまえのようなやりかたにかなう法、それを打ち砕くすべはないだろう、おれは諦めた、もうたくさんだ、おれはここで腹を切る、だからきさまはおれの首を持って越前へ帰れ」

「それは」と六兵衛がきいた、「それは、本気ですか」

昂軒は抜いた脇差へ、ふところ紙を出して巻きつけた。六兵衛は慌ててそっちへゆき、台地の下のところで立停った。