Classiques japonais avec furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lisez みなかみ紀行 (みなかみきこう) de 若山 牧水 (わかやまぼくすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 087 caractères · 203 écrans
手拭をば巣を編む材料にするのだそうだ。温泉宿に乾した着物なども浚われる事があるという。
「この山だよ、若い衆の居る山は」
渓ばたに出て一里ほども来て、径が再び山腹の傾斜を登る頃、老爺は立ち止まって私に教えた。我等の歩いている大きな傾斜は一面に荒れた野原となっていた。火を放って焼いたあとらしく、二抱えも三抱えもある大きな白樺の幹が大方は半ば燃えたままに立ち枯れていた。そしてその跡には落葉松の苗が井条式に植えられてあるのだが、多くはまだ芒の蔭となっている位の大きさであるのだ。その野原の続き、山の頂上に近いあたりから深い森となってずっと奥に茂って行っている。その森を彼は指しているのであった。森はまた見ごとな紅葉の森であった。こんもりと立ち並んだ喬木から喬木がいずれもまだ渦を巻いた様な茂みをなして、そして残りなく美しく染っている。思わず挙げた私の讃歎の声を聞いて案内者は云った。
「そうだ、今日あたりが丁度さかりずらよ、明日明後日となるとへエ散るだから」
私は雨ばかり続いた温泉宿の二階から其処の渓向うの山を毎日眺めていたのであったが、丁度昨日一昨日その長雨があがると同時にほんとに瞬く間に見まがうほどの紅葉の山と染まったのを見て驚いたのであった。