Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めおとちょう

めおと蝶

山本 周五郎

Lisez めおと蝶 (めおとちょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 977 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

良平が「むずかしい問題」と云っていた事であろう、同時にそれは知也にもつながっているのかもしれない。あの書類に列記されていた人たちの罪が決定したのだろうか、知也はやはり死罪なのだろうか。……給仕をしながら、眼で、耳で、あらゆる神経でそれを探り取ろうとした。だがかれらは用心ぶかく役所の話には触れず、なにごとも知ることができなかった。

良平の登城下城は平常にかえった。

気のせいか眉がひらいて、寝る前の酒――彼は独りでは食事のときは飲まなかった――には笑い顔さえみせるようなことがあった。こんなふうにして七日ばかり経った或る夜、昏れがたから雨になっていたが、いつもの時刻に茶を持ってゆくと、

「このごろ甲之助はどうだ」

良人が常になくこう話しかけた。そんなことは初めてである、信乃はそこへ坐った。

「やはり甲之助がそばにいてくれなくては寂しいか――」

「いいえ、もう慣れましたから」

「慣れたから、うむ……慣れた」

良平はふと雨の音を聞くように黙った。それから窓のほうを向いたまま、両手の指を組んで火桶の上へかざし、囁くような低い声で、独り言のように云った。

「子供は私とおまえの血を分けている、初めから私の子であり、おまえの子だ、……しかし私とおまえとは、もとは他人だ、……おまえがなにを望み、なにを考えているか、私には心底まではわから