Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
カストリしゃじけん
カストリ社事件
Lisez カストリ社事件 (カストリしゃじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 043 caractères · 21 écrans
「ウン、やっぱり、なア。今となっては、あんなカッコウしてみるより、仕様がねえだろうな。だけどさ、ウチの社長は、あれが年ガラ年中のカッコウなんだから、こりゃ、つまり、先天的、没落者の姿なのかも知れねえなア。二十万円、有りゃ、いゝんだろう。二十万円ぐらい、オレがだしてやりたいけど、もう、金歯はねえし、もし、みんなが女だったら、オレが命令を下して、そろってパンパンに出動して、二十万円ぐらい、一週間で稼いじゃうけど、ママならねえよ、なア。でも、なア、ワッハ、悲しいよ、なア、あの姿、ワッハ、アレ、二十万円ないという姿なんだ、ひでえよ、なア、ワア」
「なにィ」
社長の先生、ジロリと目をむく。それだけである。さすがに、顔色も変らない。
「エッヘッヘ。きこえちゃったか。気の毒だよ、なア。だけど、先天的に、どうも、仕方がねえや。問題は、オレは、先天的なんだと思うんだ」
「まさに、片彦の云う通りじゃよ」
と、社長の先生、悠々と、然し、いさゝか、悲痛である。
「要するにだよ。オカネというものがなければ、オレが社長であるという意味はない。しかるにじゃ。オレは今日まで、借金のために奔走これつとめ、辛くもなにがしの借金をカクトクすることによって、この椅子にこうして坐って、かくの如くに足を机の上にのッけていたわけじゃよ。