Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

Lisez ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 946 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

と帆村が落付いた口調に還って云った。

「事件というと、――事件はどの部屋です」

「あすこですよ。ホラ扉の開けっぱなしになっている……」

「犯人は此奴ですか」

「さア、まだ何とも云えないが、あの部屋から飛び出してきて、いきなり私に切ってかかったのでネ」

と帆村は一振の薄刃の短刀をポケットから出してみせた。

怪漢は縛られたまま廊下に俯伏せになって転がっていたが、動こうともしない。その横をすりぬけて、私達は気懸りの事件の部屋へ行ってみた。

「驚いちゃ、いけませんよ」帆村は一同に念を押しながら入口のスイッチをひねった。室内は急に明るくなった。一間通り越して奥まったところに八畳ほどの洋間があった。白いシーツの懸っている寝台があったが、こいつが少しねじれていた。が、ベッドの上は空っぽで、求める事件の主は、いま入った戸口に近い左側の隅っこに、大の字に伸びていた。若い長身の男だが、四角い頤が見えるばかりで、上の顔面は見えない。なんだか黒い布を被っているように見えたが、見るとそれが赤い血潮だった。残酷に頭部をやられているのだ。右肩を自分の手で抑えているが、肩もやられているらしかった。