Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

Lisez ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 946 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

1

あの夜更、どうしてあの寂しい裏街を歩いていたのかと訊かれると、私はすこし顔が赭くなるのだ。

兎に角、あれは省線の駅の近所まで出て、円タクを拾うつもりで歩いていたのだった。連れが一人あった。帆村荘六なる男である。――例の素人探偵の帆村氏だった。

「君の好きらしい少女は、いつの間にやら居なくなったじゃないか」と帆村が云った。

「うむ――」

私は丁度そのとき、道を歩きながら、その少女のことを胸に描いていたところだったので、ハッとした。あの薔薇の蕾のように愛らしい少女を、帆村に紹介かたがた引張りだした今夜の仕儀だった。それはこの場末の町にある一軒のカフェの女だった。カフェの女とは云いながら、カフェとは似合わぬ姫君のように臈たけた少女だった。

そのカフェは、名前をゴールデン・バットという。入口に例の雌だか雄だか解らない二匹の蝙蝠が上下になって、ネオンサインで描き出してあった。一寸見たところでは、薄汚い極くありふれたカフェではあったが、私は何ということなく、最初に飛びこんだ夜から気に入ったのだった。それは一ヶ月も前のことだったろう。そのときは私一人だったのだが、その折のことはいずれ話さねばならぬから、後に譲るとして置いて、さて――