Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lisez パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 920 caractères · 153 écrans
蓮台は時として、島の中央に完成したコンクリートの大円柱の、それには一面に青い蔦が這い、その間をこれは又鉄の蔦の様な螺旋階が、ネジネジと頂上まで続いているのですが、その螺旋階をよじ昇ることもありました。
そこの頂上の奇怪な蕈形の傘の上からは、島全体を、遙かなる波打際まで一目に見渡すことが出来たのですが、その眺望の不可思議を何に例えたらよいのでしょう。下界でのあらゆる風景は、螺旋階を昇ると共に消え去って、花園も池も森も人も、ただ見る幾重畳の大岩壁と変り、頂上からは、それらの紅がら色の岩壁が丁度一輪の花の各々の花瓣の形で、遙かの波打際まで重なり合って見えるのです。パノラマ国の旅人は、様々の奇怪な景色の後で、この思いも設けぬ眺望に、又しても一驚を吃しなければなりません。それは例えば、島全体が、大海に漂う一輪の薔薇でありましょうか、巨大なる阿片の夢の真紅の花が、空なるおてんとう様と、たった二人で、対等の交際をしているのです。その類なき単調と巨大とが、どの様に不思議な美しさを醸し出していたか。ある旅人はともすれば彼の遠い遠い祖先が見たであろう所の、かの神話の世界を思い出したかも知れないのですが、……