Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lisez パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 920 caractères · 153 écrans
が、今北見の言葉によって思い出せば、彼は確にその様な小説を書いていました。人工風景の創作ということは、彼の多年の夢であったのですから、その夢が一方では小説となり、一方ではその小説と寸分違わぬ実物として現れたとて、少しも不思議はないのでした。あれ程考えに考えた彼の計画にも、やっぱり手抜りがあったのです。それが物もあろうに没書になった原稿だったとは。彼は悔んでも悔み足りぬ思いでした。
「アア、もう駄目だ。とうとうこいつの為に正体を見現されたかも知れない。だが、待てよ。こいつの握っているのはたかが一篇の小説じゃあないか。まだへこたれるには少し早いぞ。この島の景色が他人の小説に似ていたとて、何も犯罪の証拠にはならないのだから」
廣介は咄嗟の間に、心を定めて、ゆったりした態度を取返すことが出来ました。
「ハハハハ……、君もつまらない苦労をする男だね。僕が人見廣介だって? ナニ人見廣介だって一向構いはしないが、どうも僕は菰田源三郎に相違ないのだから、致方がないね」
「イヤ、私の握っている証拠がそれ丈けだと思っては、大間違いですよ。私は何もかも知っている。知ってはいるのだけれど、あなた自身の口から白状させる為に、こんな廻りくどい方法を採ったのです。