Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Lisez パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 920 caractères · 153 écrans

Aozora Bunko

半ばは銀色に輝き、半ばは漆黒の大円柱が、目路の限り打続く光景は、いとも見事なものでありました。

「もう森がおしまいなのでしょうか」

千代子は夢から醒めた様に、かすれた声で尋ねました。

「いやいや、あの向うに沼があるのだ。私達は今にそこへ出る筈なのだよ」

そして、彼等はやがて、その沼のほとりへたどりつきました。沼は絵にある狐火の形で一方の岸は丸く、反対の岸は焔の様な三つの深いくびれになって、そこに水銀の様に重い水をたたえています。動かぬ水面には、大部分蒼黒い老杉の影を宿し、一部に少しばかりの青空を映しています。そこには最早や先程の音楽も響いては来ません。あらゆるものが沈黙し、あらゆるものが静止して、万象は深い眠りにおちているのです。

二人はその静寂を破るまいとする様に、静に驢馬を降り、無言のまま岸辺に歩み寄りました。彼方の岸の突出した部分には、この森での唯一の例外として、数本の椿の老樹が、各々一丈ばかりもある濃緑の肌に、点々と血をにじませて夥多の花を開いています。そして、驚くべきことは、その花の蔭の少しばかりのほの暗い空地に、一人の美しい娘が、乳色の肌をあらわにして、ものうげに横わっているのです。