Classiques japonais avec furigana
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ペスときょうだい
ペスときょうだい
小川 未明
Lisez ペスときょうだい de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 272 caractères · 7 écrans
「ペスのやつ、気分がわるいのかな。」と、弟の秀吉は、小屋をかえりみながら、まず口をひらきました。
「なに、おうちゃくなんだ。きげんのいいときはしかってもついてくるが、わるいときはよんでもきやしない。」と、兄の太郎は、いまいましそうにいいました。
「しかし今日は、気分がわるいのだろう。」と、秀吉はペスの弁護をしました。あまり兄がおこっていたからでした。
「だってそうじゃないか。お父さんはペスの恩人なんだぜ。犬ころしにつれられていくところを、お金をやってたすけなさったんだ。こんな小さいうちに命をとられるのは、かわいそうだといって。」と、太郎がそのときのことを思い出していうと、
「ほんとうにうちへきたときは、ころころとしてかわいらしかったね。」と、秀吉もうなずきました。
「そのご恩をわすれては……。」
「ペスはありがたく思っているんだよ。家じゅうで、いちばんお父さんになついているだろう。」
「それならこんな日にこそ、おともをするのがほんとうなのだ。」と、兄は口こごとをしながら、前のあき地につんであったたきぎを一本ずつとりあげて、長いのをのこぎりでひき、太いのはなたでわって、てごろにできあがったのから、なわでくくりはじめました。