Classiques japonais avec furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans
「第二だ、これは俺達のうちから代表を選んで、岸野に直き直き会って、詳しい話をするために小樽へ出掛けることだ。――喧嘩はまだ早い。後で大丈夫だ。」
「したども、伴さん一番先きに喧嘩してえんだな。」――年輩の小作がひやかした。
両手で頭を大げさに抑えて、伴がウハハハハハと笑った。
「そうした方順序だし、ええ。」
「ええべ。」
「んでも、伴さんみたいに喧嘩早い人は代表には駄目だネ。」
「これでも駈け引になれば、駈け引はうまいんだよ。」――伴がてれた。
何故そんな無駄な廻り道が必要なんだ。健は自分だけではそう思った。――分り切ったことでないか。
「喧嘩ッてなれば、矢張り乗るか、そるかだ。――やれることだけは、やって置かねば駄目だ。」――阿部までそう云った。
心配していた女房達が、懐へ子供を抱き込んで乳をふくませたり、背中にくくりつけたまま、お互がああだ、こうだ、と話しながら、二三人ずつ、二三人ずつ集ってきた。――子供が喚いて、背中で母親の尻を蹴る。――入口がやかましくなった。
こう集ってみると、小作の女達は「汚な」かった。畑から抜いてきた牛蒡のように、黒くて、土臭かった。