Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

――管理人の家の炊事煙突が、めずらしくムクムク煙をはいていた。裏口から襷をかけて、太い腕をまくり出した女達がザルを抱えたり、葱をもったり忙がしく出入りした。

令嬢は、軽い頭痛を覚えていた。――汽車の窓から見たり、色々な小説を読んだりして、何か牧歌的な、うっとりするような甘い、美しさで想像していたチョコレート色の藁屋根の百姓家! それが然しどうだろう。令嬢は二三軒小屋をのぞいてみた。――真暗な家の中からは、馬糞や藁の腐った匂いがムッと来た。暗がりから、ワア――ンと飛び上った金蠅の群が、いきなり令嬢の顔に豆粒のように、打ツかった。令嬢は「アッ!」と声をたてた。腹だけが大きくふくれて、眼のギョロッとした子供が、炉の中の灰を手づかみにして、口へ持って行っていた。上り端に喰いかけの茶碗と、塩鱒の残っている皿が置きッ放しになって居り、それに蠅が黒々と集っていた。隅ッこに、そのままに積み重ねてある夜具蒲団の上から、鶏がコクッ、コクッと四囲を見廻わしながら下りて来た。……管理人のところへ帰ってから、濡らしたハンカチを額にあて、令嬢はしばらく横になった。

夜になると、「ランプ」