Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

始めの一週間は家へ帰っても、耳も頭もグヮングヮンして、身体がユキユキし、新聞一枚読めなかったものだ。――俺はこのまま馬鹿になってしまうんではないか、と思った。今は慣れた。

此前キヌと会った。キヌは岸野の経営している「ホテル」にいる。――岸野は雑穀、海産、肥料問屋、ホテル、××工場、精米株式会社を経営し、取引所会員、拓殖銀行其他の株主、商業会議所議員、市会議員をやっている。他に何千町歩という農場や牧場も持っているわけだ。

岸野が売り残して年を越したために、検査に落ちて、どうにもならなくなった鰊粕を、俺達の農場の方へ送り込んで寄こして、それを検査品と同じ値段で売っていることは、知っている筈だ。然しあの岸野にしたら、こんな事ものの数でもない。

キヌが云っていたが、ホテルには二十人近く女給がいる。――岸野が一週間に二度位廻って行くと、必ず自分の室から女給を呼ぶ。そして肩をもませた。皆は自分に順番のくるのをどうすることも出来ず、ただ待っているばかりだ。嫌なら出て行け、然し出て行ける「金の持っている」女なら、最初からそんな処に来る筈がない。みんな家の暮しのために、村から出てきた、云わば俺達と同じ仲間なのだ。