Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans
今更のように自分の身のまわりを見廻わす。そうだ、十年も経ってしまっている。――そうか。そんなら、死ぬだけは内地の村で死にたい。
誰か、内地の村に行ってくるというものがあると、同じ「国衆」のものが集ってきた。村に残っている自分の本家や別家の人達に、事づけを頼んだり、何かを届けてもらったり、村の様子をきいてきて貰ったりした。
誰も何時かキット内地に帰る、そのことばかり考えている。――追われるようにして出て来た村を、今では不思議な魅力をもって思いかえした。
夜が長くなると、夜中に何度も小便に起きた。半分寝言を云いながら、戸をあけると、身体がブルンブルンッとすくむ。――秋の、深く冴えきった外はひっそりとして、月が蒼々と澄んでいる大空に、高く氷のようにかかっていた。――若い女でも、出口にそのまま蹲んで、バジャバジャと用を達した。
「もッきり」
収穫が終ると、百姓の金を当にして、天気さえ良ければ、毎日のように色々な商人が廻ってくる。写真を沢山さげた仏壇を背負って、老人が鐘をならしながら表へ立った。太物をもった行商もきた。越中富山の薬屋が小さい引出しの沢山ついた桐の箱をひろげて、ベラベラ饒舌りながら、何時迄たっても動かなかった。