Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたりのもうじん
二人の盲人
平林 初之輔
Lisez 二人の盲人 (ふたりのもうじん) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 366 caractères · 13 écrans
はげしい興奮と、懊悩とに、全精力を使い尽くしてしまった彼が、こうした寒い夜に、持病の発作を起こしたのは当然だった。眼に見えない力が、彼の咽喉を、これでもかこれでもかと締めつける。針の孔ほどの狭い隙間から出入りする呼吸は、喉頭部の粘膜に摩擦して、ひいひいと音をたてた。
千鶴子は、いつものように、心を尽くして病人をいたわった。だが、彼には、彼女のしぐさが、いちいちわざとらしく思われた。彼女が親切にすればするほど、彼には、彼女が藤木との関係を、ごまかすための手段だと思われた。それは、もはや顔色に出るのを隠すことが、できなくなってしまった。それでも、千鶴子は、もちろんそんなことには、気がつかなかった。ただ、住み馴れた家を追い立てられることの淋しさが、彼を気むずかしくさせるのだとばかり思っていた。
――そうだ。そうだ――と彼は考えた。――俺は、醜い盲人だ。おまけによぼよぼの喘息病みだ。千鶴子は人並み勝れて美しいということだ。彼女が、こんな片輪の俺に、満足しているわけはない。俺と藤木と、並んで座っているところを、比べてみたら、俺に愛想がつきるのはあたりまえだ。