Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lisez 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 113 429 caractères · 227 écrans
昔どおりの岬の子の表情である。十八年という歳月を昨日のことのように思い、昨日につづく今日のような錯覚にさえとらわれた。大げさな始業式もなく教室にはいると、さすがにかあっと顔に血がのぼるのを感じた。それでも、なれた態度で出席をとった。若く、はりのある声で、「名前をよべば、大きな声でハイと返事をするのよ」と前おきをして、
「川崎覚さん」
「ハイ」
「加部芳男さん」
「ハーイ」
「元気ね。みんな、はっきりお返事ができそうですね。加部芳男さんは、加部小ツルさんのきょうだい?」
いま、返事をほめたばかりなのに、もう加部芳男はだまってかぶりをふる。名前をよばれたときでなければ、ハイとはいえないもののように。しかし先生は笑顔をくずさずに、
「岡田文吉さん」
それは明らかに磯吉の兄の子どもとさっしられたが、盲目になって除隊された磯吉につらい兄であると聞いて、ふれずにつぎに移った。
「山本克彦さん」
「ハイ」
「森岡五郎さん」
「ハイ」
正の顔が大きく浮かんで消えた。
「片桐マコトさん」
「ハイ」
「あんた、コトエさんの家の子」
マコトはぽかんとしていた。彼女は小さいときなくなった姉のことなどおぼえていなかったのだ。