Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lisez 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 113 429 caractères · 227 écrans
四十五分ぐらいおくれているかもしれないわよ」
それをきくと、なつかしそうに立ちどまって、何か話しかけそうにした子どもたちは、本気にして走りだした。先生のほうも、風にさからって、いっそう足に力をいれた。ときどき方向のきまらぬような舞い舞い風がふいてきて、何度も自転車をおりねばならなくなったりした。まったく、四十五分ほどおくれそうだ。海べの村でも一本松はいつも岬にまもられているかたちで、厄日にもたいしたことはないのにくらべると、細長い岬の村は、外海側の半分がいつも相当の害をうけるらしい。木々の小枝のちぎれてとびちった道を、自転車も難渋しながら進んだ。押して歩くほうが多かったかもしれぬ。こうして、ほんとうにずいぶんおくれて村にさしかかったのであったが、村中が一目で見えるところまできて、先生は思わず立ちどまって叫んだ。
「あらッ」
村のとっつきの小さな波止場では、波止場のすぐ入り口で漁船がてんぷくして、鯨の背のような船底を見せているし、波止場にはいれなかったのか、道路の上にも幾隻かの船があげられていた。海から打ちあげられた砂利で道はうずまり、とうてい自転車などとおれそうもないほど荒れているのだ。