Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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おうべいかっこく せいきょうにっき

井上円了・世界旅行記

井上 円了

Lisez 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 260 015 caractères · 519 écrans

Aozora Bunko

シンガポールおよびペナンのごときは、人種の博覧会と称して可なり。公園は市街を去ることおよそ里ばかりの山麓にあり。山の形状はやや、わが京都の東山に接する趣あり。緑葉の森々たる、紅花の爛々たるは、あたかもわが春夏の交に似たり。ときに拙作をもってこれを叙す。

去国西航已二旬、洋中風色日加新、今朝船入彼南港、緑葉紅花冬似春。

(国を出て西に航行すること二十日、海洋のけしきは日々新しく、今朝、船は彼南港に入れば、緑の葉と紅の花がさきみだれて、暦の上の十二月はあたかも春のようである。)

また瀑布あり、神戸布引に類す。午後雷雨あり。七日(日曜)碇泊、八日正午抜錨。これよりマラッカ海峡を一過して、インド洋の東端に出でて、アンダマン群島に沿ってベンガル湾に入る。その間、毎日快晴。涼風船上を払い、暑気大いに減ずるを覚ゆ。ことに毎夕、明月中天に懸かり、四面雲影を見ず。蒼海渺茫としてただ流光の波間に躍るを見るは、また無限の趣あり。船中にはインド人の乗客多し。その習俗として、鬚髭を刈るにかみそりを用いず、毎日毛抜きをもって抜きおるを見る。これを見るすら、なお痛癢を感ずるなり。