Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lisez 人間豹 (にんげんひょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 989 caractères · 311 écrans
神谷が尋ねると、探偵は落ちつき払って答えた。
「突きとめるまでもありません。先方からやってきますよ。僕はそれを待っているのです」
「いつですか」
「たぶん今夜。もうその辺をうろついているかもしれませんよ。ほら、お聞きなさい。僕のうちの犬がひどく吠えているじゃありませんか」
いつの間にか日が暮れて、窓のそとはまっ暗になっていた。その辺一帯は屋敷町で、どこからか洩れてくるピアノの音のほかには、ひっそりと静まり返った淋しさである。そのうちに、けたたましい犬の鳴き声、それがたちまち近づいてくると思う間に、まるで弾丸のように応接室へ飛び込んできたものがある。
「まあ、S、お前どうしたの!」
たくましい愛犬を抱きとめた文代さんの両手は、ベットリと恐ろしい血潮であった。
Sは女主人の腕の中で、一と声異常な鳴き声を立てたかと思うと、そのままグッタリとなってしまった。したたる血潮がたちまちジュウタンをまっ赤に染めて行く。
「いったいどうしたんでしょう。この傷は?」
文代さんが少し青ざめて、意味ありげに明智探偵の顔を見つめる。
いかにも異様な傷であった。背中一面、点々とむしり取ったようになって、頸筋の一とえぐりが致命傷らしく見えた。