Classiques japonais avec furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lisez 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 571 caractères · 383 écrans
そしてそこで休む。
頂上には、木というほどの木がなく、黄色い花の女郎花や、紫の桔梗だの萩だのが咲き乱れている。先生が、「あれは山ではない、丘だ」と定義をしたことがあるくらいで、この山は決して高い山ではなかったが、それでも位置がいいので頂上に登ると、芙江が眼の下に一目に見える。
西北に当っては畑や田を隔てて停車場や宿屋やその他の建物が列なっている。町の形をなした村だ。中でも一番眼につくのは憲兵隊の建築だ。カーキイ服の憲兵が庭へ鮮人を引き出して、着物を引きはいで裸にしたお尻を鞭でひっぱたいている。ひとーつ、ふたーつ、憲兵の疳高い声がきこえて来る。打たれる鮮人の泣き声もきこえるような気がする。
それは余りいい気持ちのものではない。私はそこで、くるりと後に向きかわって、南の方を見る。格好のいい芙蓉峰が遥か彼方に聳えている。その裾を繞って東から西へと、秋の太陽の光線を反射させて銀色に光る白川が、白絹を晒したようにゆったりと流れている。その砂原を荷を負うた驢馬が懶そうに通っている。山裾には木の間をすかして鮮人部落の低い藁屋根が、ちらほらと見える。霞の中にぼかされた静かな村だ。