Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いりむこじゅうまんりょう
入婿十万両
山本 周五郎
Lisez 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 650 caractères · 22 écrans
「しかしそれは余りに」
「余りもくそもあるか、娘の口から身籠ったと申すものを、今更知らぬとは云わさぬ。もう金輪際放さぬからそう思え。わっははははは際どいところで軍配は娘にあがったな、うまい処を掴みおった、いや実にあっぱれだ、女の智恵も馬鹿にはできぬ、見ろ、浅二郎が眼をぱちぱちさせている、わっははははは」
源兵衛独り大満悦で笑うところへ、
「申上げます、城中より急のお使者にござります」
と家扶が知らせにきた。
「なに急使とな」
源兵衛は急いで出ていったが、間もなく走るようにして戻ってきて、
「浅二郎――」
と入ろうとすると、これはどうだ、あの気位の高い不由が、袂で顔を蔽い、啜りあげながら浅二郎の膝の上へうち伏しているではないか。
「今までの不束は、どうぞお許し遊ばして、ねえ……」
涙にしめった、しかし初めて女らしい潤いの滲むような声で、訴えるように云っている、
「不由は半月もまえから、貴方様のお閨を守って、淋しくお帰りを待っておりました。これからは良い妻になりまする、どうぞお見捨て遊ばさずに」
「――不由どの」
浅二郎もさすがに心を動かされたか、思わず妻の、――さよう、今こそ明らかに妻の――肩へ手を廻した。