Classiques japonais avec furigana
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しょや
初夜
山本 周五郎
Lisez 初夜 (しょや) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 384 caractères · 35 écrans
六
久良馬は井関を指さした、「息もつけないほど怯えあがって、がたがた震えているその男を見ろ、そいつはもう死んだも同然だ、われわれが手を出すまでもない、そいつも落合もやがて自分で逃げだすだろう、おれの目的はもう達した、みんなこのまま引取ってくれ」
六
集まっていた者たちは解散した。
久良馬の翻意が動かないのと、久良馬が処罰でなく切腹だと聞いたからである。かれらの多くは泣きながら、竹矢来を除き、水手桶や夜戦の支度を片づけた。家の中も、あげてあった畳を直し、障子や襖を立て、土足で汚したところをすっかり拭き清めた。丸茂源吾が代表で、切腹に立会いたいと申出たが、これは代二郎が拒絶した。
「それより丸茂に頼みがある」と代二郎は源吾に云った、「除村が切腹すればこの家は没収されるから、妻女と市松どのを私の家へお伴れ申してくれ、それから久保と板土は残って、遺骸の始末をてつだってもらおう」
その他の者はすぐ解散するようにと、代二郎は隙を与えない口ぶりで云った。
丸茂、板土、久保の三人が残り、十帖の客間に切腹の支度をした。畳一帖を裏返して、晒し木綿を張り、それを部屋の上段に据えた。