Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょや

初夜

山本 周五郎

Lisez 初夜 (しょや) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 384 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

二

――無思慮も思慮の一つだ、脇屋は思慮にとらわれすぎる。

それは久良馬の言葉であった。つい五日ほどまえ、湯の山の扇屋の会合のときにそう云った。

「彼にはかなわない」と代二郎は眼をつむったまま呟いた、「――彼にはおれのかなわないところがある、紛れのない決断や実行力もそうだ、彼は自分が好んですることを恥じない、むかしから知らない屋敷の柿でさえ、美味そうにみえ喰べたいと思うと、堂々と入っていって柿を一つ下さいと云った、女が抱きたくなれば躊躇なく湯の山へでかけていった。あれには到底かなわない」

代二郎は微笑しながら眼をあいた。

――売女を抱くことは決して美徳ではない。しかし抱かないことも美徳ではない。売女を抱かないことはただ抱かないというだけのことだ。

久良馬のそう云った言葉がおもいうかんだのである。それは四年まえ、代二郎と桃世とのあいだに縁談のまとまった直後のことであり、またこんどの(後に「右京亮さま騒動」といわれた)騒ぎの始まったときでもあった。

二

代二郎は十五歳の年に江戸へゆき、聖坂の学問所へ通学するかたわら、柳生の道場でも五年のあいだ修業した。久良馬は三年まえから柳生の道場へ入門していた。