Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

だから一層物騒だ!」

あつかい兼ねたというやつである。ダラダラと一同は後へ退いた。

背後の壁へ背中をあて、全身をガクガク顫わせながら、匕首を頭上に振り冠り、その匕首から血をしたたらせ、突っ立ったのは源三郎で、髻がバラバラに千切れてい、頬から生血が流れてい、腰に下げていた煙草入など、どこへ行ったものか見当らない。従って高価な古渡り珊瑚の、根締の玉も見当らない。ドサクサまぎれに何者か、ふんだくってしまったに相違ない。

この時一人のゴロン棒風の男が、手捕りにしようと思ったのだろう。

「ヤイ!」と喚くと飛びかかった。

「うぬ!」と呻くと源三郎は、ピューッと匕首を横へ揮った。

「あぶのうございます」と飛び退いた。

「今度は俺だ」と浪人風の男が、刀を鞘ぐるみ引っこ抜き、鐺をグッと突き出した。

「見やがれ!」と叫ぶと源三郎は、一躍パッと飛び込んだ。

と、カチリという音がした。匕首で鞘を払ったのである。

「あッ不可ない、一両の損だ! 鞘を直しにやらなけりゃアならない」

浪人は後へ退いた。

獲物を揮って討ち取るのなら、何の手間暇もいらないのであって、すぐに柔弱の源三郎ぐらい、討って取ることは出来るのであるが、しかし源三郎は名家の息子、殺しては世間が承知しまい。