Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
母これを銜えて巣に奔り帰りその子をきてまた猟夫を追う。また子一つを落すを拾い巣に伴い帰りてまた拾いに奔る。かかる間に猟師余すところの虎の子供を全うして船に乗る。母虎浜に立ちて望み見ていたずらに惆恨す」と。しかれども十七世紀には欧人東洋に航して親り活きた虎を自然生活のまま観察した者多くなり、噂ほど長途を疾く走るものでないと解ったので、英国サー・トマス・ブラウンの『俗説弁惑』にプリニの説を破り居る。李時珍いう虎はその声に象ると、虎唐音フウ、虎がフウと吼えるその声をそのまま名としたというんだ。これはしかるべき説で凡てどこでもオノマトープとて動物の声をその物の名としたのがすこぶる多い。往年『学芸志林』で浜田健次郎君がわが国の諸例を詳しく述べられた。虎の異名多くある中に晋梁以後の書にしばしば大虫と呼んだ事が見える。大きな動物すなわち大親分と尊称した語らしい。スウェーデンの牧牛女は狼を黙者、灰色脚、金歯など呼び、熊を老爺、大父、十二人力、金脚など名づけ決してその本名を呼ばず、また同国の小農輩キリスト昇天日の前の第二週の間鼠蛇等の名を言わず、いずれもその害を避けんためだ(ロイド『瑞典小農生活』