Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
には馬の鳴き声、足音を擬て名としたのもあるべきがちょっと分らぬ。支那で馬と書くは象形字と知れ切って居るが、その音は嘶声を擬たものと解くほかなかろう。『下学集』に胡馬の二字でウマなるを、日本で馬一字を胡馬というは無理に似たり、〈馬多く北胡に出づ、故に胡馬というなり〉と説いたが、物茂卿が、梅をウメ馬をウマというは皆音なりというた方が至当で、ウは発音の便宜上加えられたんだろ。
故マクス・ミュラー説に、鸚鵡すら見るに随って雄鶏また雌鶏の声を擬し、自ら見るところの何物たるを人に報す。それと等しく蛮民は妙に動物の鳴音を擬る故、馬の嘶声を擬れば馬を名ざすに事足りたはずだが、それはほんの物真似で言語というに足らぬ。われわれアリヤ種の言語はそんな下等なものでなく、馬を名ざすにもその声を擬ず。アリヤ種の祖先が馬を名ざすに、そのもっとも著しい性質としてその足の疾き事を採用した。梵語アース(迅速)、ギリシア語のアコケー(尖頂)、ラテンのアクス(鍼)、アケル(迅速また鋭利また明察)、英語アキュート(鋭利)等から煎じ詰めて、これら諸語種の根源だったアリヤ語に鋭利また迅速を意味するアスてふ詞あったと知る。