Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
ある時村へ穢い貧僧来るをこの寺へ泊まらせる。平気で読経し居ると、丑三つ頃、表の戸を敲きデンデンコロリ様はお内にかという者あり。中より誰ぞと問う声に応じ、東山の馬骨と答え、今晩は至極好い肴あるそうで結構でござると挨拶して通る。次は南水のきぎょ、西竹林の三けいちょうと名乗りて入り来り、三怪揃うて僧に飛び掛かるを、少しも動ぜず経を読んで引導を渡すと化物消え失せる。翌朝村人僧の教えのままに、馬頭と金魚、および三足鶏の屍を見出し、また寺の乾の隅の柱上より槌の子を取り下ろす。この槌の子がもっとも悪い奴で、他の諸怪を呼んだのだ。槌の子を乾の隅に置くと怪をなすという。『曾呂利物語』四には伊予の出石の山寺で足利の僧が妖怪を鎮めたとし、主怪をえんひょう坊、客怪をこんかのこねん、けんやのばとう、そんけいが三足、ごんざんのきゅうぼくとす。円瓢坊は円い瓢箪、客怪は坤河の鯰、乾野の馬頭、辰巳の方の三足の蛙、艮山の朽木とその名を解いて本性を知り、ことごとく棒で打ち砕いて妖怪を絶ち、かの僧その寺を中興すと載す。漢の焦延寿の『易林』に巽鶏と為すとあれば、そんけいは巽鶏だ、圭の字音に拠って蛙をケイと読み損じて、巽の方の三足の蛙と誤伝したのである。