Classiques japonais avec furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lisez 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 035 caractères · 254 écrans
「どんな物を食わせるな」「いろいろご馳走致します」
「で、上等の部屋はあるか」「聖典の間へお宿めしましょう」
「聖典の間? おおそうか」紋太夫は頷いた。
「では俺を宿めてくれ」「さあ、おいでなさりませ」
若者の後に従って紋太夫は家内へはいって行った。はいった所に部屋があり、部屋には無数の土人がいた。ガヤガヤ喚きながら酒を飲んでいる。残忍酷薄な表情をした見るから恐ろしい土人どもである。
それからさらに二つ三つ大きな部屋を通ったが、やがて通された部屋を見ると、別に変わったこともない。床と天井とが石で出来ている。床に巌丈な寝台がある。寝台の側に卓があり、その上に書物が載せてある。羊皮紙で作った厚い書物で、表紙には漢文字で「明智篇」と記されてある。
「はてな」と呟くと紋太夫はまず寝台へ腰を下ろし、それから書物を取り上げた。書かれてあるのは漢文であった。
「范邸は浚儀の令たり。二人絹を市に挟み互いに争う。令これを両断し各※(二の字点、1-2-22)一半を分ちて去らしめ、後人を遣わして密かにこれを察せしむ。一人は喜び、一人は慍る色あり。ここにおいて喜ぶ者を捕らう。はたして賊也」