Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans
あっしの怨みのあるのは、この若旦那一人にだ。こんな、別嬪のお嬢さんを怨もうにも、怨めやしませんや。ねえ旦那、そうでしょう。若旦那に怨みはある、然し、憚んながらお嬢さんにゃあ、怨みも、罪も何んにもねえ。そのお嬢さんが、もう一人ふえて、お二人だ、それに又ふえて、旦那様、奥様まで――それが、何か大それた泥棒でもなすったのならとにかく、小藤次野郎の舌の先で、ぺろりとこの泥の中へ転がされちゃあ、江戸っ子として、旦那、自慢じゃあねえが、巾着切仲間じゃあ、黙って見ていませんや。それで、さっきから、何か、いい工夫がなかろうかと、おでんを食べ食べ考えていたんでげすがね――いい智慧が、ござんせんや、随分、お力になりますが――」
庄吉は、一生懸命であった。
「そうか」
八郎太は、笑った。
「よくわかった」
庄吉の顔を見てうなずいてから、七瀬に、
「何時までも、ここにはおれぬ。僅かの道具に未練をもって、夜明ししおったと噂されては口惜しい。そちとも、何れは別れる宿命でもあるし、ここからすぐに上方へ立て――」
「旦那」
庄吉が、口を出した。八郎太が、庄吉へ手を振った。
「あっちへ行っとれ――旅は急ぐなよ、八里のところは、六里にしても、足を痛めて馬、籠などに乗るな、駕人足一人前の賃で、十五文の宿銭が出る。