Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans

Aozora Bunko

その穏かな川を渉る人々の中を、五台の輦台が、声をかけつつ、川水を乱し立てて、突進した。

「ほいっ、ほいっ」

と、いう懸声の間々に

「頼むっ、頼むっ」

と、肩車で渉って行く、渉って来る人足に、注意しながら、輦台は突進して行った。その上に乗っている人々は、刀を押えて、誰も皆、前方を睨みつけるように見て

「急げっ、急げっ」

と――中の一人は、刀の鐺で、そういいつつ、こつこつ、川人足の肩をたたいていた。

仙波父子は、茶屋の横へ廻って、松の影の下の小高い草叢の中から、この七台の輦台を眺めている。

「五人では討てまい」

八郎太が、呟いた。

「助けに参りましょうか」

「求めて対手にすべきではない。よし、二人が殺られようと、大事の前の小事じゃ。わしが指図するまで、手出しはならぬ」

「益満は、何うしておりましょう」

「あれも、一代の才物じゃが、世上の物事は、そうそうあれの考え通りに行くものでもない。日取りからいえば、もう、追っつく時分じゃが、お上からも、こうして討手の出ている以上、妻も子も、助かるとは思えぬ。恩愛、人情、義理をすてて、ここは、京まで、万難を忍んで、牧を討つべき時じゃ」