Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lisez 南国太平記 (なんごくたいへいき) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 493 291 caractères · 991 écrans
時々、提灯の火が、二人の側を行きすぎたが、二人には、感じなかった。夜鳴うどんの呼声は、町中に響いていたが、二人には、それが何んであるかも、感じなかった。
「宿は?」
綱手は、その問いを、予期していたが、ひやっとした。
「遠いか――近いか」
「はい」
「お前は、小太郎が、わしに討たれると思うている。然し、わしが小太郎の手に、或いはかかるかも知れぬ」
綱手は、小太郎の討たれる方のことを、余分に考えていたが、そういわれると、小太郎を討つよりも、月丸の討たれる方が、厭であった。
「わしは、邸を出奔して、武士の面目を捨てた――と人は見よう。然し、わしは、決して、捨てておらぬ。わしは、牧仲太郎の倅として、武士として、男として、邸武士の出来ぬ手柄を立てたい。立てて見せる。そして、立派に帰参してみせる。敵、味方と別れておっても、元は、同じ家中で、忠義の心に変りはない――仮に綱手、二人が、親の許した仲であったとして、もし、八太郎が、牧仲太郎を討ちに出向き、わしが、父の側におったら、何んとする。男と見て、父の討たれるのを、手を束ねて見るか? 見るのが武士か? それとも、八郎太を討つのが、武士か? 小太郎が、敵党の一人である限り、わしは、見逃さぬ。