Classiques japonais avec furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lisez 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) de 三好 十郎 (みよしじゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 544 caractères · 508 écrans
ご時世が変るだの何だのと方々でワイワイ騒いでこそいるが、どうせどっちに転んだとて所詮が、二本差した奴か物持ちの奴等の話だ。壷を取るのが狼になるか虎になるか、それだけのことよ。糞面白くもありはしねえ、勝手にしろさ。
仙太 まだいうのか、長五?
長五 何度でもいうぞ。お前は阿呆だ。夢を見ている阿呆だ。先程はお前に睨まれてギックリしたが、今度あ怖くはねえ。
仙太 (立上りかけるがフと自ら顧みて)ウム……くらやみ、もうお前、行ってくれ。(下を向く)
長五 (いいつのる)そうだろうが! 世の中が立直しがあるとか何とかで変にゴタゴタとグレハマに騒ぎ出したなあ今日や昨日のことじゃ無え。方々で飢饉凶作、打ちつづいて、食えねえ人間がウヨウヨしているのも、五年や十年のことじゃねえぜ。下々の民百姓によく響いて来るものならば、もうトックの昔に響いて来ている筈だ。それがどうだ! おおそれ、遠いところを捜すことあねえ。今聞えて来るエジャナイカの叩きこわしは何のための騒ぎだい? 此処を通るという一揆だ! みんな虫のせいやかんのせいで冗談半分にやっていることなのか? 大違えのコンコンチキだろうて! みんな民百姓下々の食えねえ苦しまぎれのなす業だ。