Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

でぼんやり佇んでいた。するとまたもや同じ声がした。

「待っていたよ、はいるがいい」

度胆を抜かれた銀之丞は、今度は極度の好奇心に、追い立てられざるを得なかった。

彼は大胆にはいって行った。三十歩あまりもあるいた時、「ここだ!」という声が聞こえて来た。それは廊下の横からであった。見るとそこに開いた扉があった。で、内へはいって行った。カッと明るい燈火の光が、真っ先に彼の眼を奪った。そのつぎに見えたのは一人の老人で、部屋の奥の方に腰かけていた。

「オイ若いの、戸を締めな」その老人はこういった。

いわれるままに戸を閉じた。それから老人を観察した。身長が非常に高かった。五尺七、八寸はあるらしい。肉付きもよく肥えてもいた。皮膚の色は銅色でそれがいかにも健康らしかった。ただし頭髪は真っ白で、ちょうど盛りの卯の花のようで、それを髷に取り上げていた。銀のように輝くのは、明るい燈火の作用であろう。高い広い理智的な額、眼窩が深く落ち込んでいるため、蔭影を作っている鋭い眼……それは人間の眼というより、鋼鉄細工とでもいった方が、かえって当を得るようだ。美術的高い鼻、強い意志を現わした、固く結ばれた大きな口……顔全体に威厳があった。