Classiques japonais avec furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Lisez 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 586 caractères · 159 écrans
原因は何か。その探究は現在のみならず将来を戒しめ将来を安全ならしめる道を示す手段になるであろう。現在の窮乏を救おうが為に、政体の変革を叫ぶものもある。しからざるものもある。各観るところ信ずるところに依るのであろう。これに対してわたくしはただ是非判別の識見に富まざることを憾しまなければならない。しかしただ一言、わたくしは言うべき事を知っている。事の勝敗はその事に当る人物の如何に因る。ただこの一語である。人物の如何とは、即ち誠実の有無、正義観の強弱をさすのである。信念の如何を謂うのである。
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畠に沿う道のかなたに車の駐る音と村の子供の声が聞える。葉の落ちた梅林を透して米兵に連れられた日本ムスメのキモノの閃くのが見える。冬の日は少し斜めになっただけ却て近く照りつけて来たように思われる。彼等はムスメと相携えて向に見える山腹の蜜柑園に登って行くのであろう。手にする行厨はムスメを喜ばす甘い物に満たされているのだろう。冬の日は短くとも彼等が歓を尽すにはまだ十分の時間があろう。日の光はもとより公平である。わたくしもまた窓の明るさ暖さに心急がずこの文を草し終るであろう。