Classiques japonais avec furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lisez 地球盗難 (ちきゅうとうなん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 072 caractères · 168 écrans
大隅は落胆した。折角聞けると思ったことが、今や余命いくばくもないこの重傷者の唇から聞けないと分ると、彼は掌中の珠を奪われたように、残念に感じたのだった。
といって、あの外国船について知っている者は僅かに四人、そのうち辻川博士と喜太郎とは既に死に、残る二人のうち、助役古花甚平は、現在の位置もあり思慮もあって、なかなか軽々しく喋ろうとはしないし、この上彼を監禁などしては、村中の輿論を悪く刺戟する結果、大隅のこの事件探索はもちろんのこと、この村に滞在することも許されなくなるので、それはなるべく避けたかった。そうなると、この際、気息奄々としている河村から聞きだすのが一番いいことだと思われたのに、彼がなおも頑固に喋らぬとあっては、悲観せざるを得なかった。なにか彼に口を開かせるよい方法はないものであろうか。
そのとき彼は、一策を思いついた。
「ねえ、河村さん。……僕はぜひ、貴方に見せたいものがあるんだが、見てくれませぬか」
「見せたいものって……」
と河村は床の中から、大隅の真意を探るような眼付でもって見上げた。
「そうです。ぜひ見せたいものです。……実は貴方の息子さんの武夫君が、この辻川博士邸内にいるのです。