Classiques japonais avec furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lisez 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 151 766 caractères · 303 écrans
なかでも、ひときわめだつのは、どこかの国の王冠でした。黄金の台に、無数の宝石をちりばめた、その王冠のみごとさ、小林君や刑事たちは、そのあまりの美しさに目もくらむ思いでした。
読者のみなさん、この美しい部屋は、まえに、どこかで見たような気がするではありませんか。そうです。淡谷さんが、宝石ばこを持って、さらわれたスミ子ちゃんをつれもどしにいった、あの地下室です。黄金のいすやテーブルも、シャンデリアも、ガラスだなの中の王冠も、あの部屋にあったのと、まったくおなじです。
しかし、あのとき淡谷さんは、時計塔とははんたいがわへ、半キロほどいった八幡神社の前で、四十面相の自動車に乗せられ、三十分も走ったところでおろされたのです。そんな遠方の地下室がいつのまに、時計やしきの下へうつってきたのでしょうか。小林君が、そんなことを考えていたときです。
「おう、小林君だね。うしろにいるのは、警視庁の刑事諸君だろう。よくきてくれた。さあ、ここへかけたまえ。」
金ぴかの部屋の金ぴかのテーブルのむこうから、おちついた男の声がひびいてきました。
見ると、テーブルのむこうの黄金のいすに、ひとりの男がこしかけていました。