Classiques japonais avec furigana
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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Lisez 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) de 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 733 caractères · 274 écrans
娘で、多助の往く後影をしみ/″\眺め、見惚れて居りますと、広間の傍に土廂を深く取った六畳の小室がございます。其処に藤野屋杢左衞門が居りまして、
杢「花や/\何を見て居るのう」
と云われてお花は心づき、
花「お父様、あの毎日あすこの葭簀張に炭屋さんが休んで居りますねえ」
杢「彼は中々感心な男だ、只の人間じゃない、計り炭を売るなぞと何うも工夫が旨い、それに云う事が皆な異っているよ」
花「毎日明き樽を買う人と話をして居ますが、どうも不思議なことを申します、あのお方は今に立派のお方になりますねえ」
杢「尋常者じゃないのう」
花「お父様家へもいくらも人が来ますが、本当にあの炭屋さんのようなお方は有りませんねえ、今日という今日はつく/″\あの炭屋さんに私は惚れ……」
と云いかけ親父の顔を見て、恥かしそうに下を俯き真赤になりました。
杢「何か、彼の炭屋に花は惚れたか、うん惚れても好い、好く惚れた、己も惚れている、感心だ、あの襤褸の半股引刺子の筒袖で真黒けえに成っているのだから、色香に惚れたのではない、炭屋の心に惚れたのだろうが杢左衞門も鼻が高い、流石は藤の屋の娘だ、宜しい、貴様が強ってあの炭屋の所へ嫁に往きたいと云うなら遣ってやろうか」