Classiques japonais avec furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lisez 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 647 caractères · 215 écrans
偏袒右肩、――つまり右の片肌を脱いでいるみ姿であるから、衣は左の肩から斜に右の胴下にまかれ、その裾は結跏趺坐した円い膝を蔽うて台座に垂れさがっている。左の肩から台座に及ぶこの衣の線が、体躯の光りに応じて縦横に弧線を描き、ここに光りの循環に由るメロデーは完成されるのである。仏体自身が飛鳥仏(とくに法隆寺の釈迦三尊)のように浮彫式ではなく、完全に円味を帯びているので、光りの流れは滞るところを知らない。上から下方へ、また下から上方へ、絶えず楕円形を描きつつ流転しているわけだ。同様のことは小仏ながら、橘夫人念持の白鳳仏にもうかがわれると思う。しかもこの流麗な線は、剛毅で重厚な仏体によってひきしめられ、いささかも繊弱な感じを与えない。円満という言葉はこのみ仏のためにあるようにさえ思われる。いかなる念願が、かかる稀有のみ仏を現出せしめたのであろうか。いままで我々は、彫刻の所謂写実性によってのみこれを解せんとした。だが前にも一度ふれたように、仏体における写実の「実」とは、仏自身であって、人間像への近接の度合によって推測さるべき事柄ではない。たとい近接してもこれを超えたところに、唯ひとえにそこにのみ仏の「実」