Classiques japonais avec furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lisez 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) de 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 647 caractères · 215 écrans
あたかも金堂の壁画から抜け出してきたようにもみえる。この作者は、天平の美女に遠い涅槃を祈念したのでもあろうか。信仰の心において創りつつも、ふとそれを離れて、思わず美へ惑溺した人のひそかな愉悦を、また戦慄を、私は思わないわけにゆかなかった。夕暮の菜の花の色と、紫色に燃える伊賀の古城が再び思い出された。それがもたらす無気味な生の懈怠と頽唐とを。そういう感じをどうあらわしたらいいものか。私の最も愛する東洋の詩人オーマア・カイアムの箴言がこのみ仏にも余韻しているのではなかろうか。
「右手に聖典をとり、左手に酒盃を持ち、正と邪との間に戦慄せよ。そのごとく我らは全く信仰の徒ともまた全く不信仰の徒ともならずして蒼穹の下に坐すべきなり」
「我らは無窮を追ふ無益の探究を捨てなむ。而うして我らの身を現在の歓楽に委ねむ。竪琴のこころよき音にふるふ長き黒髪に触れつつ」
「汝は地の上を逍遥ひ歩きぬ。されどすべて汝の知りしところのものは無なり。すべて汝の見たるもの、すべて汝の聞きたるものは無なり。たとへ汝は世界の涯より涯まで歩めばとて、すべてのものは無なり。たとへ汝の家の隅に止まりたればとて、すべて在るものはみな無なり」